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11月19日説教要旨 「むなしさはチャンス」 伝道者の書1:1~11

 私たちの人生を80年と考えると、約10万時間を仕事に費やしていることになるそうです。人生の14%を仕事に費やしていることになります。これは意外と少ないように感じます。しかし、ストレスの大半は仕事であるということも事実です。

 今日の説教タイトルは「むなしさはチャンス」ですが、このむなしさと言う感情は、人間誰しもが感じたことのあるものです。そんなむなしさについて、聖書が語っているというのも意外なものだと思います。

 2節に「空の空」という言葉があります。この「空」と訳されている言葉は、旧約聖書の中で72回使用されています。そのうちの37回は、伝道者の書で使用されています。この言葉は、蒸気・息という意味があります。人生とは、蒸気のように消えてしまうほど、はかなくむなしいものだということです。「空の空」とは、最上級にむなしい、つまりとてつもなくむなしい様を表現しているのです。作者は、人生に相当な空しさ、絶望を感じていたのでしょうか?

 作者は3節以降に、むなしさの具体的な内容を語っていきます。地上で行われる全てのものは、何の益にもならないと言うのです。人が人生でどんなに苦労しても、何の見返りもなければ、利益もない。だからこそ、空の空、人生はむなしさの極みだと語るのです。地上での人生はむなしいものだ、これが真実であると、作者は最初に結論付けています。

 4節から7節までは、自然現象がいかに単調であるかが書き記されてあります。人間は命あるものとして誕生し、必ず死を迎える。人は地上において入れ替わるけれど、地上は何一つ変わらない。太陽は昇り、沈む。風も南から北へと吹いてゆく。川の水は毎日海へ流れていくけれど、それだっていつもと変わらない自然現象。これは無限に繰り返される、意味のないものだと作者は語ります。

 この無限に繰り返される現象は自然界だけのものではなく、人間にも当てはまることだと、作者は言います。8節を見ますと、「すべての事はものうい」と書かれてあります。これは、全ての事に対して、心が晴れ晴れしない、だるくておっくう、苦しい、辛いという意味です。地上での人生に対して何の希望を見出していない作者の気持ちが、ひしひしと伝わってくる気がします。また、人間は新しいものを発明したり、発見したりします。しかし、これらは既に過去にあったものを再現したにすぎないのだとも言うのです。人の記憶に残っていないから、新しく感じるだけだと。このような語りぶりから、作者に一体何があったのかと思うほど、地上での人生はむなと何度も作者は語るのです。

伝道者の書の作者ははっきりと分かっていません。しかし、1節の書き出しだけを見るならば、エルサレムの王、ダビデの子と書かれてあるので、ソロモン王であったと考えることができます。仮に、作者がソロモン王だとするならば、彼はこの地上のありとあらゆる物を手にしていました。Ⅰ列王記10章23節には、富も知恵もどの王よりもまさっていたと書かれてあります。ですから、彼は人生に絶望して伝道者の書を書いたのではありません。人生における根本的なところに目を向けるようにと、この書を書いたのでしょう。作者が言いたいことは、「日の下での苦労」とあるように、この世の価値観だけに目を留め、この世に価値観だけで生きるならば、それはむなしい人生だということです。私たちを創造してくださった神様を知らずに生きる人生は、空しさの極みであるということを伝えたかったのです。パスカルの言葉にこのような言葉があります。「人の心の中には、神が作った空洞がある。その空洞は創造者である神以外のものによっては埋めることができない。」まさに、私たちが人生においてむなしさを感じるのは、神様を知らないからです。神様を知らない人生は、客観的に見れば楽しいように思えても、また地位や富みを持っていたとしても、それは空しい人生なのです。

 Ⅱコリント5章17節に「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」というみ言葉があります。イエス様を知り、信じるならば、私たちの人生は新しく生まれ変わります。

 むなしさを感じるということは、決して悪いことではありません。なぜなら、むなしさを感じるときは、イエス様が私たちに語りかけてくださっている時だからです。むなしさは、地上にあるもの、世の価値観では埋まることはないのだと、語りかけてくださっているからです。

イエス・キリストは2000年も前に、私たちの罪のために十字架に架かってくださいました。罪とは、虚無感、むなしさも含まれます。全てのものを、イエス様ご自身が十字架の上でその身に負ってくださいました。そして、誰も打ち破ることのできなかった死を、イエス様は打ち破り3日目によみがえってくださったのです。

 人生の本当の意味を知る唯一の方法は、イエス・キリストを信じることです。むなしさから解放してくださるお方は、イエス・キリストただお1人です。イエス・キリストを信じ、人生を共に歩めることは私の幸せですと告白する者へとなりましょう。